久しぶりに Breeders を聴きなおしているうちに、ピロウズはけっこうわかりやすいオマージュしてるわりに、元ネタについて書いてるブログとか読んだことないなと思った。これもそう言えばと思って、たびけんさんの ART-SCHOOL の元ネタとか: 空白依存症 を読み直しているうちに、自分が把握してる元ネタをまとめとこうかなと持ったのでメモしておく。
主にこの記事(the pillows 山中さわおのブリーダーズ愛が炸裂! オルタナ中のオルタナと惚れた理由を語る | Mikiki )をデータ元として(※mikiki と表記)、それ以外は 独自研究 です。たぶん雑誌とかでも影響元について言及してるんだろうけど、あんまりちゃんと追ってないので。
ほかにもそれっぽいのがあればツイッターとかで教えてください。
(2021.3.7 そのあと数曲みつけたので追記)
the pillows 元ネタメモ - Apple Music Playlist
MOON GOLD ( 1991)
雨にうたえば
- Elvis Costello - Veronica (Spike, 1989)
- イントロリフ、メロディ。
- Mr.Children「メインストリートへ行こう」が同じ元ネタなので、これに気づいた時勝手に謎の共通点をみつけて盛り上がった。
Please Mr.Lostman (1997)
STALKER
- The Smiths - How Soon is Now? (from Hatful of Hollow, 1985)
- イントロのアレンジ、コード進行。
彼女は今日、
- The Stone Roses - (Song for My) Sugar Spun Sister (from The Stone Roses, 1989)
- イントロのアレンジ、コード進行。
- Some Might Say (from (What’s the Story) Morning Glory?, 1995)
- コード進行、メロディ、ギターソロ。
ストレンジ カメレオン
- Hurricane #1 - Step Into My World (Hurricane #1, 1997) ※2021.3.7 追記
- コード進行の雰囲気
- イントロのリフが中間部に使われている
SUICIDE DIVING
- The Stone Roses - She Bangs the Drums (from The Stone Roses, 1989)
- イントロのアルペジオ、コード進行。
GIRLS DON’T CRY
- The Cure - Boys Don’t Cry (from Boys Don’t Cry, 1980)
- タイトル、コード進行。
Please Mr.Lostman
- The Beatles - Please Mister Postman (from With The Beatles, 1963)
- タイトル。
* もちろん大元は The Marvelettes (1961)
- タイトル。
- Champagne Supernova (from (What’s the Story) Morning Glory?, 1995)
- コード進行、メロディ。
LITTLE BUSTERS (1998)
Hello, Welcome to Bubbletown’s Happy Zoo
- That Dog. - Ms. Wrong (from Totally Crushed Out, 1995)
- コード進行、アレンジ。
ONE LIFE
- Oasis - Don’t Look Back In Anger (from (What’s the Story) Morning Glory?, 1995)
- コード進行、アレンジ。
- ピロウズで 1 番有名なオマージュソング。これだけしっかりオマージュしてるのにいやらしくなく、またそれぞれ「いい曲」のまま受け取れるというのは誠実な姿勢のおかげというか。
like a love song (back to back)
- Step Out (from (What’s the Story) Morning Glory?, 1995)
- コード進行、アレンジ。
- Rockin’ Chair (from (What’s the Story) Morning Glory?, 1995)
- メロディ。
LITTLE BUSTERS
- Cum on Feel the Noize (from Don’t Look Back in Anger, 1996)
- コード進行、アレンジ。
- 元曲も Slade のカバーだが、アレンジは Oasis 版に近い
RUNNERS HIGH (1999)
Sad Sad Kiddie
- Nirvana - Pennyroyal Tea (In Utero, 1993) ※2021.3.7 追記
- サビのコード進行、メロディ
- Nirvana - Love Buzz (Bleach, 1989) ※2021.3.7 追記
- イントロのリフ
Juliet
- That Dog. - Never Say Never (Retreat from the Sun, 1997) ※2021.3.7 追記
- イントロのリフなどアレンジ、コード進行
インスタントミュージック
- That Dog. - He’s Kissing Christian (Totally Crushed Out, 1995) ※2021.3.7 追記
- イントロや静 → 動などアレンジ、コード進行
White Ash
- The Stone Roses - Driving South (from Second Coming, 1994)
- アレンジ。
- ブルージーなギターにマンチェなリズムなので、これがメインネタかなと
- The Breeders - Invisible Man (from Last Splash, 1993)
- 中間部の展開とかはこれを参考にしてそう
NO SELF CONTROL
- The Breeders - No Aloha (from Last Splash, 1993)
- コード進行が近いと言えば…近い?変テコアレンジも影響を感じる。mikiki でこの曲に言及あり。
WAKE UP, FRENZY!
- That Dog. - Gagged and Tied (from Retreat from the Sun, 1997)
- コード進行とアレンジ。
- 「Gagged and Tied みたいな曲」はピロウズに頻出なので、この曲は代表ということで。
Borderline Case
- That Dog. - Retreat from the Sun (from Retreat from the Sun, 1997)
- コード進行とアレンジ.
HAPPY BIVOUAC (1999)
カーニバル
- The Breeders - No Aloha (Last Splash, 1993)
- コード進行、アレンジ。
- Blur - Song 2 (from Blur, 1997)
- コード進行、アレンジ。
- Song 2 的な要素はピロウズ頻出項目なので各所で連想される。
Back seat dog
- Pixies - Here Comes Your Man (from Doolittle, 1989)
- リフとコード進行とメロディ。
- ピロウズで 2 番目に有名なオマージュソング。最後にはタイトル “Here Comes Your Man” を歌ってまでいる。
Kim deal
- The Breeders - Divine Hammer (from Last Splash, 1993) ※mikiki
- ギターソロ(中間部ソロというより、イントロのギターリフ)はこの曲をイメージしているらしい
* 「ギター・ソロは『Last Splash』に入っている“Devine Hanmar”みたいにしてほしいって伝えました」
- ギターソロ(中間部ソロというより、イントロのギターリフ)はこの曲をイメージしているらしい
- “That Dog.” (バンド名)
- 「ウロウロしてるあの犬は僕なんだ」の元ネタ?
Funny Bunny
- Liz Phair - Whip-Smart (from Whip-Smart, 1994) ※mikiki
- イントロのドラムアレンジ
Beautiful morning with you
- The Amps - Breaking the Split Screen Barrier (from Pacer, 1995) ※mikiki
- 静かな部分のアレンジ、コード進行。
- Dinosaur Jr. - Feel the Pain (from Without a Sound, 1994)
- 全体アレンジ。
- mikiki では曲名まであげられてないけど、この 2 つが元ネタだろうと思う。2 曲ともめちゃくちゃかっこいい。
* 「“Beautiful morning with you”(の元ネタ)はダイナソー Jr だったかな。リズムが途中で大胆に変わるのは、彼らの得意技だったので」
Advice
- That Dog. - Old Timer (That Dog., 1994) ※2021.3.7 追記
- コード進行、アレンジはこれにかなり近い
- That Dog. - Lip Gloss (Totally Crushed Out, 1995)
- これもそもそも Old Timer と近いが、コード進行とアレンジ。メロディ部分はこちらが元ネタか
- Nirvana - Breed (Nevermind, 1991)
- Nirvana から近いアレンジをあげるとこれ。"Lip Gloss" の元ネタなのかもしれない
Smile (2001)
Monster C.C
- That Dog. - Michael Jordan (from Totally Crushed Out, 1995)
- イントロのリフ、アレンジ。「C.C」というのは Cassius Clay = モハメド・アリのことであり、スポーツ選手をタイトル・題材にするというのもオマージュした、のかな。
Vain dog (in rain drop)
- Pixies - Bone Machine (Surfer Rosa, 1988) ※2021.3.7 追記
- イントロのドラムとコード進行
Calvero
- The Amps - Full on Idle (from Pacer, 1995) ※mikiki
- アレンジ、コード進行がほとんどそのまま。
GOOD DREAMS (2004)
WALKIN’ ON THE SPIRAL
- Veruca Salt - Seether (American Thighs, 1994)
- イントロのアレンジ (Veruca Salt 好きらしいので、一番近い曲を)
Wake up! Wake up! Wake up! (2007)
YOUNGSTER (Kent Arrow)
- The Strokes - Hard to Explain (Is This It, 2001)
- メインリフが YOUNGSTER のメロディに
プロポーズ
- The Amps - Tipp City (from Pacer, 1995)
- イントロ、コード進行、歌メロも。もはや空耳ソングといってもいい。
シングル・コンピ
Tiny Boat (from Tiny Boat, 1996)
- The La’s - There She Goes (from The La’s, 1990)
- イントロのアルペジオフレーズ。
- ピロウズは There She Goes 的な曲もいくつもあるが、代表としてこれを。
Wonderful Sight (from NO SELF CONTROL, 1998)
- Radiohead - Ripcord (from Pablo Honey, 1993)
- アレンジ、コード進行。
- 3 番目に有名なオマージュソング。わりと全編 Ripcord ママ。
Ride on Shooting Star (from Ride on Shooting Star, 2000)
- Blur - Song 2 (from Blur, 1997)
- コード進行、アレンジ。
- これこそ “Song 2” オマージュ、といったところ。歪みきったパワーコードにシンセをかぶせるところまでしっかりリスペクト。
Voice (from Electric Rays, 2008)
- The Breeders - London Song (from Title TK, 2002) ※mikiki
- コード進行、アレンジ。ピロウズなりの"London Song"らしい。
感想:
- The Stone Roses と Kim Deal と That Dog.と Oasis 好きすぎじゃね。
- ていうか (What’s the Story) Morning Glory? 好きすぎじゃね。
元ネタ探しをしていて思ったのは、嫌な気持ちになるオマージュとちゃんとリスペクトを感じるオマージュがあって、ピロウズの場合ほとんどの曲が後者の、愛を感じるオマージュだなということ。具体的には、影響を隠さないこととそこにのっかってちゃんとピロウズらしさを表現しようとしているのが曲から感じられること、とかだろうか。ピロウズ以外にもくるりにはよく感じる。まあ中には Wonderful Sight みたいなコレどうなのみたいなのもあるが…それはご愛敬ということで。
今回アルバム 4 枚分くらいしかちゃんと能動的に探せてないので、他のアルバムについても調べてパート 2 を作りたい。