Rex Orange County - Apricot Princess (Self, 2017)
UK 出身の Alex O’Connor さんによるソロプロジェクト。どこの音楽記事でも触れられているが、彼はなんとまだ 18 歳らしく、それでいてこの恐るべき完成度のポップスアルバムを完成させたことに末恐ろしさを感じる。アレンジもメロディも多彩で、かつ耳馴染みがよく、でも飽きにくいという完璧さ。直前にリリースされていながらアルバムには収録されなかった「Uno」「Untitled」も素晴らしいので合わせて聴いてほしい。
BNQT - Volume 1 (Bella Union, 2017)
アメリカのインディー・ロックバンド、ミッドレイクのメンバーであるエリック・プリード(guitar)、マッケンジー・スミス(drums)、ジョーイ・マクレラン(guitar)、そしてジェシー・チャンドラー(keys)を筆頭に、ベン・ブリッドウェル(バンド・オブ・ホーセズ)、アレックス・カプラノス(フランツ・フェルディナンド)、フラン・ヒーリィ(トラヴィス)、そしてジェイソン・ライトル(グランダディ)によって結成されたスーパーバンド、BNQT(バンケット)。
ということで、バンド紹介だけでお腹いっぱいになってしまうくらい豪華なスーパーバンド。まあこのメンバーからもわかるけれども、アコースティックが中心の多彩なアレンジと惚れ惚れするハーモニーが前編を通して楽しめるアルバムになっている。なんだこれは…一つも心配するポイントがなく完成されたポップスを堪能できるぞ。素晴らしすぎる。
The Wellingtons - End of the Summer (Rock Indiana Records, 2017)
待ってました、オージー産泣きメロパワーポップの頂点の新作。国内リリースは THISTIME Records。これまた心配のいらない安定感なんだけど、作品を重ねて上がっていく完成度と、全く衰えないみずみずしさにやられてしまう。同類のバンドはいくらでもいるといえばいるけど、一番信頼している現役バンドはウェリントンズだ。絶対に絶対に来日ライブいって、「Over & Done With」して「Come Undone」して「Help Me Fall」したい。
Bent Shapes - Wolves of Want (Slumberland Records, 2016)
ボストンの 4 人組。ツイッターで知ったのだけど、こんないいバンドが Slumberland から出てたのか。パンキッシュな性急さでジャグリーなギターがかき鳴らされつつ、練られた展開と華やかなホーンとコーラスが絶妙に組み合わされる。なんてシンプルで、なんて最高なんだろう。めっちゃアナログほしい。。
Beach Fossils - Somersault (Bayonet Records, 2017)
すごく勿体無いことをしていたと今は思うが、個人的に彼らは Captured Tracks の中でも地味なバンドのイメージで、DIIV のメンバーが所属していたバンド、くらいの認識で適当に聞き流してしまっていた。だから今作を聴いてみて完成度にすごく驚いた。独自の空気感があってそれがなんとなく今の雰囲気に合ってるし、何よりめちゃくちゃメロディがいい。実際聴き直してみて初期の音像は所謂ローファイ/ドリーム・ポップな音だったことは確かだけど、2nd アルバムの後ごろからだんだん音が洗練されてきて、ニューウェーブやネオアコなど 80 年代末期の雰囲気も入って、メロディもどんどん良くなってきていたことがわかった。これは年間ベスト入る良さだ。
Cende - #1 Hit Single (Double Double Whammy, 2017)
ブルックリンの 4 人組によるインディバンド。LVL UP(Sub Pop/Run for Cover)のドラマーが参加している(レーベルも LVL UP のメンバーが設立したもの)ということもあって、ノイジーへろへろギターポップの流れを汲んだ音が鳴っているアルバム。でもたまに拍子が絡まったり、性急なリズムがずっこけたりするのは Jangle Pop 譲りだろうか。やっぱり Literature/Lodger 的なパンク精神とメロディ至上主義の両立を目指している感じがして大変よい。1st アルバムにこのタイトルを付ける覚悟を受け取った。