※前ブログから転載・追記

たんぽぽ娘の文庫化の早さには本当にびっくりしたのだが、そもそも書籍の文庫化というのは把握がしづらい(改題することも少なくない)。 するまでの期間はまちまちだし、文庫化後の紹介文には叢書名が含まれていないことがほとんどで、ラインナップの中でどの本が文庫化したのかもよくわからない。

ということで、自分が興味ある叢書レーベルだけ拾って、どれが文庫化したのかをまとめみた。

奇想コレクション (河出書房新社)

名称 単行本発売日 文庫本発売日
ダン・シモンズ『夜更けのエントロピー』嶋田洋一訳 2003/11/25
シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』大森望編 2003/12/22 2009/08/06
テリー・ビッスン『ふたりジャネット』中村融編訳 2004/02/13
エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』中村融編訳 2004/04/19 2012/09/06
アルフレッド・ベスター『願い星、叶い星』中村融編訳 2004/10/22
シオドア・スタージョン『輝く断片』大森望編訳 2005/06/14 2010/10/06
アヴラム・ディヴィッドスン『どんがらがん』殊能将之編 2005/10/26 2014/02/06
ゼナ・ヘンダースン『ページをめくれば』安野玲・山田順子訳 2006/02/22
ウィル・セルフ『元気なぼくらの元気なおもちゃ』安原和見訳 2006/05/24
コニー・ウィリス『最後のウィネベーゴ』大森望編訳 2006/12/21 2013/02/06
パトリック・マグラア『失われた探険家』宮脇孝雄訳 2007/05/02
タニス・リー『悪魔の薔薇』安野玲・市田泉訳 2007/09/04
シオドア・スタージョン『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』若島正編 2007/11/15 2010/11/08
ジョン・スラデック『蒸気駆動の少年』柳下毅一郎編 2008/02/20
マーゴ・ラナガン『ブラックジュース』佐田千織訳 2008/05/23
グレッグ・イーガン『TAP』山岸真編訳 2008/12/03 2016/06/07
ジョージ・R・R・マーティン『洋梨形の男』中村融編訳 2009/09/16
フリッツ・ライバー『跳躍者の時空』中村融編 2010/01/22
テリー・ビッスン『平ら山を越えて』中村融編訳 2010/07/13
ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』伊藤典夫編 2013/05/28 2015/01/07

新 ☆ ハヤカワ・SF・シリーズ (早川書房)

名称 単行本発売日 文庫本発売日
スコット・ウエスターフェルド『リヴァイアサン ―クジラと蒸気機関―』 2011/12/07 2013/12/05
パオロ・バチガルピ『第六ポンプ』 2012/02/09 2013/12/05
イアン・マクドナルド『サイバラバード・デイズ』 2012/04/05
スコット・ウエスターフェルド『ベヒモス ―クラーケンと潜水艦―』 2012/06/07 2014/06/19
コニー・ウィリス『ブラックアウト』 2012/08/07 2015/7/2
ハンヌ・ライアニエミ『量子怪盗』 2012/10/09 2014/03/19
スコット・ウエスターフェルド『ゴリアテ ―ロリスと電磁兵器―』 2012/12/07 2014/10/23
チャイナ・ミエヴィル『言語都市』 2013/02/25
コニー・ウィリス『オール・クリア 1』 2013/04/09 2015/11/6
コニー・ウィリス『オール・クリア 2』 2013/06/05 2015/11/6
クリストファー・プリースト『夢幻諸島から』 2013/08/08
グレッグ・イーガン『白熱光』 2013/12/05
ジョン・スコルジー『レッドスーツ』 2014/02/06
ロラン・ジュヌフォール『オマル ―導きの惑星―』 2014/04/09
チャールズ・ユウ『SF 的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』 2014/06/05
ロラン・ジュヌフォール『オマル 2 -征服者たち-』 2014/08/07
マデライン・アシュビー『vN』 2014/12/19
ブランドン・サンダースン『王たちの道 1 ―白き暗殺者―』 2014/10/09
ブランドン・サンダースン『王たちの道 2 ―死を呼ぶ嵐―』 2015/2/15
ケン・リュウ『紙の動物園』 2015/5/29 分冊(1) 2017/04/06(2) 2017/05/09
ブランドン・サンダースン『王たちの道 3 ―自由への架け橋―』 2015/6/15
ハンヌ・ライアニエミ『複成王子』 2015/8/14
パオロ・バチガルピ『神の水』 2015/10/30
グレッグ・イーガン『クロックワーク・ロケット』 2015/12/2
ジョン・スコルジー『ロックイン -統合捜査-』 2016/02/15
ケン・リュウ『蒲公英(ダンデライオン)王朝記 巻ノ一 諸王の誉れ』 2016/04/25
ケン・リュウ『蒲公英(ダンデライオン)王朝記 巻ノ二 囚われの王狼』 2016/06/25
グレッグ・イーガン『エターナル・フレイム』 2016/08/02
ピーター・トライアス『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』 2016/10/21 文庫同時
チャイナ・ミエヴィル『爆発の三つの欠片』引地渉訳 2016/12/08
グレッグ・イーガン『アロウズ・オブ・タイム』山岸真/中村融訳 2017/02/23
ケン・リュウ『母の記憶に』古沢嘉通/幹遙子/市田泉訳 2017/04/20

創元海外 SF 叢書 (東京創元社)

名称 単行本発売日 文庫本発売日
イアン・マクドナルド『旋舞の千年都市』上下 下楠昌哉訳 2014/03/28 2016/05/31
キジ・ジョンスン『霧に橋を架ける』三角和代訳 2014/05/30 2016/08/19
レイ・ヴクサヴィッチ『月の部屋で会いましょう』岸本佐知子/市田泉訳 2014/07/11
マーク・ホダー『バネ足ジャックと時空の罠』上下 金子司訳 2015/01/30
マーク・ホダー『ねじまき男と機械の心』上下 金子司訳 2015/07/31
マーク・ホダー『月の山脈と世界の終わり』上下 金子司訳 2016/01/29
グレアム・ジョイス『人生の真実』市田泉訳 2016/07/22

創元日本 SF 叢書 (東京創元社)

名称 単行本発売日 文庫本発売日
松崎有理『あがり』 2011/09/30 2013/10/31
宮内悠介『盤上の夜』 2012/03/30 2014/04/11
酉島伝法『皆勤の徒』 2013/08/30 2015/07/24
高山羽根子『うどん キツネつきの』 2014/11/28 2016/11/18
宮内悠介『エクソダス症候群』 2015/6/30 2017/07/20 (予定)
山田正紀『カムパネルラ』 2016/10/21

NOVA コレクション (河出書房新社)

名称 単行本発売日 文庫本発売日
東浩紀『クリュセの魚』 2013/08/27 2016/08/08
谷甲州『星を創る者たち』 2013/09/26
北野勇作『社員たち』 2013/10/29
図子慧『アンドロギュヌスの皮膚』 2013/12/02
瀬名秀明『新生』 2014/02/05
片瀬二郎『サムライ・ポテト』 2014/05/27
円城塔『シャッフル航法』 2015/08/27

奇想コレクションが本当にバラバラで読めないのだけど、スタージョンなど固定ファンが多い作家や『どんがらがん』『たんぽぽ娘』など話題性があるのがほとんどで、売れ行きで判断していると推測できる。そうなると『TAP』は暫く様子を見たほうがいい。が、ライバーはまだ安心して買える、という事なのだろうか。それはそれで、なんか寂しい。

追記(2017/5/26): イーガンの TAP はやっぱりされてライバーはやっぱりされなかった。うん…。