Diet Cig - Swear I’m Good at This (Frenchkiss Records, 2017)

Kay Hanley (Letters to Cleo)や Juliana Hatfield (Blake Babies)なんかを連想させるキュートなボーカルが特徴のポップパンクバンド。前述の 90 年代ポップパンクの潮流を押さえつつも、ちょっとエモリバイバルっぽい音使いもあったりして、つまり僕が一番好きな音が鳴っている。「Maid of the Mist」には例のパワポシンセも入ってる。あとメロディセンスに Morrissey を感じる気もするかも。ストレートなロックききたくなったらこれを聞く。

Morning Teleportation - Salivating for Symbiosis (Glacial Pace, 2017)

ケンタッキー州出身の 4 人組?バンド。2011 年に発売された 1st アルバムは Modest Mouse の Isaac Brock プロデュースということで話題になったらしいが、今回は Modest Mouse の持つスタジオで Modest Mouse のプロデュースを手掛けた Jeremy Sherrer をプロデューサーに迎え制作されたようだ。さらにデスキャブの元サポートギター Dave Depper や同郷の Cage the Elephant からベーシスト Daniel Tichenor を呼び寄せて、より芳醇なハーモニーを完成させている。ベースにあるのはフォークだと思うが、ホーンやフォーキーなアルペジオが入ったかと思いきや、唐突に謎のシンセや変拍子が挿入されて訳のわからない展開をしたりして、いったい何を目指してるのかとニヤニヤしてしまうこと間違いなしの冒険作。頼むから落ち着いてくれと思いつつ、楽しいので聞く。

Heals – Spectrum (FFWD, 2017)

インドネシアのシューゲイザー/ギターポップバンド。BGM に Apple Music で適当に再生してたら、メロディがよくて思わず作業の手を止めてしまった。最近シューゲってまったく聴いてなかったのだけど、やっぱり曲の完成度が高ければジャンル関係ないなと思った。表題曲や「Dazed」なんかはマイブラとそのフォロアーたちが築き上げてきたシューゲ典型図だが、「Azure」や「Anastasia」なんかは Luminous Orange なんかのシューゲからはみ出してしまった日本のバンドたちっぽい「ズレ」を持っていて、そこらへんアジアのバンドなんだなと感じた。

Hoops - Routines (Fat Possum Records, 2017)

昨年リリースした3枚の EP が好評を得たのも記憶に新しい中、待望のフルアルバムを発表したドリーミー・チルウェイブ・ギターポップバンド。このバンドはアルペジオリフがとにかくキャッチーで、Toro y Moi や Real Estate なんかが好きなら一発で恋に落ちると思う。サウンドメイキングが似ててもこのバンドは個性があると感じる。

San Cisco - The Water (Island City Records, 2017)

4/10 分で紹介した San Cisco のアルバムが出た。最高だったシングルを置いておいても、ハイテンションでロックしながらも彼ららしくかわいさと切なさを残した曲ばかり。やっぱ夏フェスで聞きたいバンドだよなあ、え、もしやこれがオーストラリア流「フェスミュージックへの先鋭化」なのか?などと勘ぐるほどだった。いや何言ってるかわからないけど。

Mac DeMarco - This Old Dog (Captured Tracks, 2017)

で、ついに出た Captured Tracks の顔 Mac DeMarco の 3 年ぶりの新作。いままでの耳に残るアルペジオリフが少なめになって、けっこうキラキラしたシンセやフォーキーなアコギストロークが増えたようだけど、肩の力が抜けた歌や宅録的コンプ感、もちろん染み染みするメロディも衰えていない。住む場所など環境が大きく変わったということで音楽メディアに書かれていたけど、やっぱこの人は音楽が大好きだし作らずにはいられないんだろうなーと思った。このアルバムと Hoops、Real Estate、Chaz Bundick と聴いていけばこの夏を満喫できるわけだ。最高だね。