# San Cisco - Hey, Did I Do You Wrong? (Triple J, 2017)

名前とは裏腹にオーストラリア出身、だけど出て来るのは名前通り陽がサンサンと照るような音の4人組。新作を目前にしてリリースされたリードシングルであるこの曲と、すでに公開されていたファンキーな”SloMo”と両方、新しいカラーものぞかせつつも、いままでの彼ららしいシンセ/ギター、男性/女性ボーカルの塩梅がすばらしいポップソングになっている。夏フェスで見たい。

# Chaz Bundick Meets The Mattson 2 - Star Stuff (Company Records, 2017)

Toro y Moi や Le Sins でおなじみの Chaz さんが、John McEntire、Tommy Guerrero、Money Mark から CHOCOLAT & AKITO まで幅広くコラボレーションしてきた The Mattson2(Drums&Guitar)とタッグを組んだアルバム。The Mattson2 の演奏力の高さと包容力のデカさは上記のコラボ作を聞くとよくわかるのだけど、今作でも、Chaz さんが自然体でデモで作ってきて、それに寄り添うように Mattson2 が音を重ねていって一発 OK、みたいなのが目に見えるようだ。本体の Toro y Moi のほうも最近バンド感が増してきているけど、Mattson2 のルーツであるモダンジャズなリズム感とレイヤーのようなギターディレイが完全にマッチしてて、ふつうに良いバンドになっている。もう一枚くらいこのコラボで出してほしい…。

# Japandroids - Near To The Wild Heart Of Life (Anti- Records, 2017)

バンクーバー出身の 2 ピースバンドによる 3 作目。あいかわらずのモノクロ&メンバー 2 人のなごやか写真ジャケでなんなんだこいつらという感じだが、5 年ぶり?の新作にも関わらずガレージながらメロ重視のギターロックという中身はブレなさすぎで安心。確かにこれで完成されすぎてて、リードギターとかベースとかの必要性を感じない。別にスペシャルなアルバムではないけど、しみじみ良さがあるアルバム。

# Cosmo Pyke - Just Cosmo (70Hz Recordings, 2017)

ロンドン出身の若干 18 歳ながら、Thundercat や Vulfpeck みたいな変態ファンキーおじさんたちと並ぶ何かを感じさせる SSW。部分ごとにはメロディアスなんだけど、通しで考えてみるとその展開はおかしくない??という疑問符だらけの不思議な曲が 5 つ。でもほんと聴きやすいし、オシャカフェで流れてても違和感ない。あと Captured Tracks 的なアナログリヴァーブなサウンドも取り入れていて、適度に爽やかでもある。ミックスもスッキリしてるし。なんなんだこのひとは?早くアルバムで聞きたいアーティスト。

# JFDR - Brazil (White Sun Records, 2017)

アイスランド出身の Jófríður Ákadóttir(ヨフリヅル・アウカドッティル)さんによるプロジェクト。日本ではたぶん、双子の姉妹とのユニット Pascal Pinon(Morr Music/国内版は Impartment)での活動が一番知られているだろうか。Pascal Pinon も静謐な室内楽的フォーキーポップスですばらしかったんだけど、このソロプロジェクトのほうもフォークトロニカ・インディクラシック的な要素でアレンジの精密さが深まりつつ、歌にしっかりフォーカスが当たっていて、ヨフリヅルさんの魅力が明確に伝わってくるものになっている。

# Wouter Hamel - Amaury (V2 Records, 2017)

オランダ出身の SSW による 5 枚目のアルバム。ウーターさんは「ユーリ!!! ON ICE」の劇中曲のボーカル参加や、今作にボーナストラックとして収められた LUCKY TAPES とのコラボ曲、6 月の来日など日本でもけっこう知られてきているのだろうか。初期作は Benny Sings がプロデュースしていたという時点でピントくるが、80s ポップの香りをさせるスムースなサウンドと楽曲はほんと素晴らしいの一言。Hall&Oates なんかの焼き直しといわれたらそれまでだけど、結局こういうの大好きなんだよな…。