ついに水曜日に記事を上げる人になってしまった。今度から日曜日に書こうかな…。


# Foxygen - Hang (2017)

Queen のドラマチックな展開と SSW 的メロウさで去年話題になった Lemon Twigs のプロデュースをしたのが、この Foxygen こと Jonathan Rado と Sam France の 2 人によるユニット。LT の親玉だけあって、恐ろしい展開の数々とそれで失われないポップさ。前作まではここまでではなかった気がするんだけど、どうしたんだこの人たち。やばいぞ。音楽性の幅も 70 年代の映画音楽の巨匠が出した傑作選みたいに広くて、一枚聴き終えるとお腹いっぱいになる。そんなあたりで Burt Bucharach や Jimmy Webb を思い出した(「MacArther Park」とか)。すごすぎる。年間ベスト候補。

# Hein Cooper - The Art of Escape (2016)

シドニーの SSW。アコギ弾き語りと打ち込みポップスでわりと振れ幅の大きい曲が交互に並ぶけど、どちらも音へのこだわりが見える、美しい彫刻のようなアルバム。とにかく歌が良いんだ…。Local Natives、The National、Arcade Fire などのエンジニアを務めた Marcus Paquin によるプロデュースだけあって、その辺もかなり気持ちいい。片方に絞って突き詰めたアルバムも聴いてみたくなる。

# Dope Lemon - Honey Bones (2016)

Lady of the Sunshine、ソロ名義、そして Dope Lemon と名前を変えてきたシドニーの Angus Stone さんによるユニット。基本ユルいんだけど、どこか緊張感もあるドリーミーフォークロック。良いメロディの曲はめちゃくちゃいいんだけど、どうしてもストレートに良い曲ばかりは収録しない意地みたいなものを感じる。いや良いんだけど。

# Bonny Doon - Bonny Doon (2014)

徳永憲ブログで知ったデトロイトのバンド。どこか懐かしい音色がクセになるフォークロック。リフとか進行が TFC 的パワーポップ感あって、そちらの方々にもぜひ聞いてもらいたい好盤。こんど 3 月に 1st アルバムが出るみたいなのでかなり楽しみ。Bandcamp では NYPで配信してる。

# 土岐麻子 - PINK (2017)

もうソロ 8 枚目なのか。今回はプロデューサーに前作にも参加していたトオミヨウ(須藤晃の息子)を迎え、シンセメインでフレーズの繰り返しや音の気持ちよさに全振りした快楽指数が高いアルバムになっている。でもいままでの生音指向を捨てたわけではなく、よく聞くとシンセと生楽器のせめぎ合いがかなり変な事になっているのにも気づく。さすがのクオリティ。

# Tuxedo - Fux with the Tux (2017)

2015 年のアルバムが最高すぎた Mayer Hawthorne と Jake One によるユニット Tuxedo の新曲。いやもう。イントロからなにからすべてが気持ちいい。Verse というか、中間部の節回しすごく好き。土岐麻子と並んで最近ラジオでよく流れててそのたびテンションあがっちゃう。

# Still Parade - Concrete Vision (2016)

スウェーデンの Niklas Kramer さんによるソロユニット。国内版は Fastcut から。イントロ勝ちな「Walk in the Park」や夢の中を歩くような「Concrete Vision」をはじめとする、とことんドリーミーな一枚。でもリズムはけっこうしっかりしてたり、ソウルばりのメロディもかなり気持ちいい。

# Froth - Outside (Briefly) (2017)

LA のサイケなバンドによる 3 枚目のアルバム from Wichita Recordings。最近汗が飛び散らない乾いてるサイケが多いなか、良い感じに熱さもある快楽指数が高いアルバム(になってそう)。2 月 24 日リリース。

# Day Wave - Wasting Time (2016)

カリフォルニア出身で元 Carousel の Jackson Phillips によるソロプロジェクト。去年くらいから聴いてたけど、やっぱ素晴らしいので挙げた。Captured Tracks なアルペジオインディポップなんだけど、もっとポップさが突き抜けていてマイナスポイントがゼロ。でこの新曲がもう…タイトルから展開からメロからすべて完璧。カバーしたくなる良さ。最近ゴッチがこのバンド然り、良いバンドばっかり挙げてて反応するのが悔しくなってきたんだけど、もう最高なのでしかたない。

# Tift Merritt - Tambourine (2004)

US のカントリーでロックな女性 SSW の 2nd アルバム。Fountains of Wayne のカントリーテイストでめちゃくちゃ良い曲(No Better Place とか Troubled Times とか)を丸々一枚のアルバムにしたような最高さ。今この文章を書きつつ聴いてるけどほんと全部いい…。Mary Lou Lord の Got No Shadow を初めて聞いたときに近い感動。今月 27 日には 4 年ぶりの新作も出るようなので、他のアルバムもすぐ聴こう。

# SUMMERMAN - Temperature is … (2015)

最近 KiliKiliVilla(安孫子真哉が運営してるレーベル)のカタログが Apple Music 入りしたようで聴きまわっていたのだけど、NOT WONK とこの SUMMERMAN はすごく良かった。きらめいてた。この瞬間を録音にするぜ!!という気持ちが伝わってきてしまって泣けてしまうエモ。このバンドこのあいだの dear student/SaToA/Hello Hawk/Shipyards なイベントに出てた。ああ行きたかった……(動画上げてる人がいるので我慢している)。KKV で言えば今度の The Sleeping Aides And Razorblades もめちゃくちゃ楽しみだ。