最近韓国やインドネシア、フィリピンなどのアジアンインディを意識的に聴くタイミングがあり、こんなに近くの国なのに知らないことばかりだと気付いた。そこで、Cicada や透明雑誌など比較的知っているアーティストもいるし、文化的にオープンなイメージもある台湾のインディを手探りで聴いてみた。

※友人の Ichrw が韓国版を作ってくれたようなので合わせてどうぞ:はじめての K-Indie

情報源は以下など。


アーディストリストとごく簡単な紹介

  • 橙草 / Orangegrass (Indie Rock / Power Pop / Lo-Fi Pop)
    台北出身の 3 人組。THE NOVEMBERS の 2014 年の台湾ライブで対バンをしたらしい。
  • 張懸 / Deserts Chang (SSW / Folk / Post-Rock)
    台北の SSW。2012 年のフジロックに出演していたらしい。
  • Cicada (Instrumental / Post-Classical / Chamber)
    2009 年結成の室内楽 5 人組グループ。来日経験あり。
  • 阿飛西雅 / Aphasia (Instrumental Rock / Post-Rock)
    2007 年活動開始の 4 人組インストロックバンド。 2004 年のサマソニで来日
  • 鐵之貝克 / Tizzy Bac (Indie Rock / Pop Rock / Electro)
    1999 年結成の 3 人組。かなり洋楽志向が高く、ピアノボーカルのロックトリオだからか台湾の Ben Folds Five とか呼ばれているらしい。2013 年サマソニ出演。
  • 魏如萱 / Waa Wei (SSW / Folk / Rock)
    バンドのボーカルとしてデビュー、2007 年にソロ活動開始。日本人プロデューサも関与しているらしい。なんとなくプロダクションに椎名林檎的な雰囲気を感じる。
  • 槍擊潑辣 / Guntzepaula (Post-Rock / Post-Punk)
    2008 年結成の 3 人組。ちょっとメタリックなポストパンクでありつつ、ソウルフルだったりもする。
  • 1976 (Pop Rock)
    1996 年結成の 4 人組。2010 年に台湾のレコ大的な「金曲賞」を受賞したらしい。フロントマンへのインタビュー記事で台湾ロックの現状や日本からの影響など語っていて面白い。
  • 馬克白 / Macbeth (Post-Punk / New Wave)
    2008 結成の 4 人組。かなり音楽オタク臭いポストパンクバンド。
  • 白目 / The White Eyes (New Rave / New Wave)
    2007 年結成の 4 人組。はっちゃけ具合含めて Cansei de Ser Sexy 感多めのバンド。
  • 旺褔 / Wonfu (Pop Rock / Indie Pop)
    1998 年結成の 4 人組。金曲賞の受賞歴があり、国内版の発売や日本でのワンマンライブを開催したこともある(wikipediaもある)。かなりポップで親しみやすい。
  • 回聲樂團 / Echo (Indie Pop / Guitar Pop)
    1999 年結成の 4 人組。金曲賞の受賞歴あり。これまたレディオフレンドリーなポップロックだけど、パワーポップ的なギターアレンジがかわいい。
  • 滅火器 / Fire EX. (Indie Rock / Pop Punk)
    2000 年結成の 3 人組。サマソニ出演、金曲賞の受賞歴あり。MONOEYES とのアジアツアー、磯部正文(HUSKING BEE)や細美武士(the HIATUS)の音源参加からわかるように、日本のメロコアの影響が色濃い。
  • 透明雜誌 / Touming Magazine (Indie Rock / Guitar Pop)
    2006 年結成の 4 人組。「影響を受けたと公言しているバンドは、ピクシーズ、ウィーザー、ソニック・ユース、スーパーチャンク、キャップン・ジャズなど。」(wikipedia)…らしいが、やっぱり感じるのは NUMBER GIRL の騒やかさ。このバンドのインタビューも興味深い。

大まかな感想として、想像よりずっと国外の音楽が浸透していて、センスもアジアっぽくないバンドがいた。日本-中国-韓国あたりのお国柄なのか、演歌的なクサメロディが今でもメインストリームではあるようだけど、たぶんライブハウスとか若者の間では日本と同じような音楽を楽しんでいるんじゃないかと感じた。実際、日本人バンドの台湾公演で似た音楽性のバンドが対バンしてたり、日本でも韓国アーティストがサマソニやフジロックで紹介されたり、ハコレベルでもそういう企画があるようだし(BARKS - 台湾出身のアーティスト、代官山 UNIT に集結)、もっとオタク以外が触れる機会が増えればいいなと思う。 (どのニュースも 4,5 年前なのがすこし気になるけども…)

他思った事:

  • 中国や韓国のアーティストは英名も併記されていることが多いが、日本にはあまりない意識じゃないかと思う(多分日本語のままか、アルファベットに直した程度)。実際漢字読めても全然意味がわからないし、文字が違う国なら Google 検索もおぼつかない。僕みたいなオタク欧米人がアジアの音楽知りたがったときに、併記されてたほうがやっぱり覚えやすいし親しみも湧くんじゃないか。
  • 中国語で歌われるポップスは Mandopop や C-Pop と呼ばれる(シンガーの意味合いが強い)。台湾ポップスは 70 年代ごろから市場規模的にも文化的にも大きくなってきたようで、やっぱり独立への機運の高まりと文化も関連してるのかなと思った(詳しい人教えて欲しい)。
  • 今回 Apple Music や向こうの音楽ブログでバンドを調べたけど、その結果数年前にサマソニやフジロックのアジアバンド枠に入って来日してたバンドが結構あって、知らなかったけどいい仕事してたんだなと思う。