# The One AM Radio - The Hum of the Electric Air! (2003)

このあいだ& records のカタログをプレイリスト化していて知ったバンド。LA のリシケシュ・ヒアウェイさんのソロユニットとして開始したが、その後バンドメンバーを入れて今の生演奏+ α のスタイルになったらしい。このアルバムではドラムはおろかベースも電子音なんかもほとんど演奏されていないが、フォーキーなエレキギターの演奏にストリングスが絡みつくというそぎ落とされたアレンジが抜群に美しい。次の「A Name Writ In Water」では、控えめなリズムや押し殺したノイズがより情景を映し出すようで…。しびれる。


# dEUS - Selected Songs 1994-2014 (2014)

ベルギーではかなり人気のあるバンド。国内ではスタジアム級なのに国外では全く話題になっていない…そんなバンド、多分どこの国にもあるんじゃないかと思う。自分がどのタイミングで知ったかは覚えてないけど、多分大学 1 年くらいに Youtube でいくつか聞いて、なにやら展開やメロディが難しすぎて理解できないバンド、というイメージを持って忘れてしまった気がする。しかし、改めてベスト盤を聴いてみると全くイメージが変わった。確かに 1 曲ずつの音楽ジャンルの飛躍が大きすぎる(ポストパンク~ジャズロック~ポストハードコア~オルタナ~ヒップホップ)し、ポエトリーリーディングみたいなボーカルの曲もある。でも基本にはバンドキッズ魂というか、これかっこいいだろ!このメロディいいだろ!みたいなところが感じられるので、たいへん楽しめて聞けた。評判のいい 2nd や 1st、あと派生バンド(TaxiWars、Zita Swoon など)もきいていこう。


# シャムキャッツ - 君の町にも雨はふるのかい? (2016)

このバンドはほんと外さなすぎて、とくに取り上げる必要もない。けど好きだからかく。どの曲もいいけど、「洗濯物をとりこまなくちゃ」を作れるバンドはシャムキャッツしかいないと思う。毎回「らしさ」と「すこしズレてる」の両方の曲が入っているのが素晴らしい。


# GOING UNDER GROUND - Out Of Blue (2016)

このアルバム自体は 9 月頭くらいにすでに聴いてたけど、なんとも判断の付けづらい思いがあった。5 人だったバンドが 3 人まで減って、売り上げやライブハウスの規模も落ち、しかもそれをおじさんになったフロントマンが苦々しく語る動画を Youtube で見てしまったら、普通真っ向から音楽を聴けなくなると思う。というかそうだった。でも、聴いたらそんな鬱屈とした感情はちゃんと音楽に昇華されて、いつものとおりまっすぐ楽しい事や辛い事を唄う GUG の音楽のままだった。これが最高傑作とは言えないけど、ここ最近の中では一番いいし、2000 年代前半の GUG が好きだった人は聴いてほしいと思うアルバムだった。


# Mark Bacino - Not That Guy (2016)

ポップス職人さんの新曲が出てた。Parasol から出した 1998 年と 2003 年のアルバムしか知らなかったけど、2010 年にも出してたんだ(どれも Apple Music にある)。そして今年の 5 年ぶりの新曲!瑞々しいリズムと甘いメロディが変わらな過ぎてまぶしい。


# Mild High Club - Skiptracing (2016)

1 回聴いてスルーしてたアルバムだったが、OYA(またか)の出戸さんが今年のベストに挙げてたらしいと聞いて再聴したけど、めちゃいいじゃないか…。OYA と坂本慎太郎に繋がるスカスカ感があるけどだけど、それらよりアメリカのバンドがとっつきやすいというのが面白い(LA のアレックス・ブレッティンさんによる自作自演バンドらしい)。古臭いけど今の空気も感じるってのが今年の流行りだろうか。


# The Heavy Blinkers - Health (2013)

ビーチボーイズそのまますぎると評判になった 1st はよく聞いたけど、いつのまにか 2013 年にもアルバム出していた。今作ではむしろ Burt Bacharach や Jimmy Webb といった 70 年代オーケストラポップ職人の手がけたアレンジやメロディラインを踏襲しているようで、ながれるような美しいポップスを聴ける。まるで現代のバンドには聞こえないけど、こういう女性ボーカルがのるのは今っぽいかも。


# Animal Daydream - Citrus (2016)

このあいだの Jigsaw Records 探索の続きで。アコギカッティングが気持ちいいバブルガムポップなシングル。メロディ好きすぎると思ったらやっぱりスウェーデン人だった。去年出した EPもキラキラギターだしタンタンタコタコだして最高なので一緒にどうぞ。


# Le SuperHomard - Maple Key (2016)

Jigsaw(2)。Millenium かと思うイントロから、はかなげなメロディを唄うボーカルに至るまで完全に完成されたフランス産サイケソフトロックバンド。万華鏡の世界に迷い込んだみたいな気持ちになれる。Stereolab 感もすこしあるかな。良いアルバムだ。


# Fort Lean - Quiet Day (2016)

P-VINE が激推しらしいブルックリンのバンド。たしかにこれは…大学生のとき聴きまくってたやつだ。ポップセンスもアレンジもまとまってて、野外で聞いたらすごく気持ちよさそう。しかし焼き直し感がかなりあるのが難しいところ。まあ個人的には焼き直し上等なので、もうちょい強いアンセム曲作って売れてほしい。