Andrés Beeuwsaert - Dos ríos (2015)

Aca Seca Trio のピアニストのソロ作。アルゼンチンってそれこそアカセカトリオしか知らないけど、地元やブラジルのアーティストが多くフィーチャリングされているようで、ジャズという枠に収まらない多彩な音楽。南米音楽もジャズもポルトガル語もなにもわからないけど、とても素敵な音楽。


Two Door Cinema Club - Gameshow (2016)

かなりディスコ寄りにしてきたというか、ロック感が薄れてきたけど、シンセのアレンジが緻密でツボを押さえているのでパッと聴きは大味なのに飽きない。音色も矩形っぽい感じがいい。


James Vincent McMorrow - We Move (2016)

アイルランドのソロシンガーの 3rd アルバム。前作がヒット作らしいけど全然知らなかった。押し引きの利いたアレンジと良い声と良いメロディがパズルのように上手く収まっている。結構カギになるコード進行のポイントもさらっとしたアレンジで流して、逆にミニマルにおけるちょっとした変化のように印象を残す。めちゃくちゃ完成度高い。


Syd Arthur - Apricity (2016)

イングランドの 4 人組バンドの 4th アルバム。ギターやシンセのサウンドは今風のインディだけど、リズムがポリリズムっぽかったり、どうやらジャズの影響がかなり大きいらしく、聴いていてそこでそのアレンジする?という場所が多くて面白い。前作はもうちょいアコースティックなサイケ&ジャジーだったのを、今回シンセを全編に取り入れてより締まった感じがする。ちなみにバンド名は Syd Barett+Arthur Lee らしい。わかりやす…。


Real Numbers - Wordless Wonder (2016)

Slumberland Records でしかありえない音。もう金太郎飴なんだけど、でもメロディが良いんだよな…。ど頭、コードじゃかじゃかやってるだけなのに短音リフより印象に残ってるしな。よしもう一回聴こう。


Hazel English - Never Going Home (2016)

カリフォルニア出身のソロシンガー。まだ EP1 枚しか出してないっぽいけど、Ride の前座もすでに経験したらしいし、各所でも取り上げられている。やー、それも納得のぽかぽか陽気の音楽。ペインズとかギターポップの文脈を押さえつつ、宅録っぽいパーソナルさで女の子が歌うなんて、もう最高だ。


Devendra Banhart - Ape in Pink Marble (2016)

この人はいつもおふざけが過ぎてる感じがしてイマイチ好きになり切れなかったんだけど、今作は時間をかけて練られた音楽をさらっと演奏している感じがすごくよかった。歌詞全然読んでないので内容は知らないけど、どこかのうらぶれた田舎町の風景がふと頭に浮かんだ。


Twerps - Range Anxiety (2015)

オーストラリアのバンド by Merge Records。このバンドはどの曲も素朴で地味なんだけど、ちょっとしたフレーズだったり歌いまわしがいつのまにか心に残っている。


Ludvig Moon - Kin (2016)

初期 Team Me に所属していた Anders Magnor Killerud 氏がリーダーを務めるノルウェーの 5 人組。この寒そうな情景が浮かぶアレンジを作れるのは北欧人のアビリティなんだろうか。音が厚いところも薄いところも寒い。正直 Team Me の最新作とかなり近い感性を感じるけど、だからこそ脱退した…のか、現在唯一のメンバーである Marius Drogsås Hagen 氏がキャラ強すぎなのか。もう一つ、元メンバーが今やっている The Hallway も完全に同じ感性で、そちらも最高。


CRX - New Skin (2016)

The Strokes のギタリスト Nick Valensi がリーダーを務める 5 人組バンド。リフとかは確かにストロークスで、アレンジも最近のアルバムとあまり変わりないけど、間のとり方が完全にニューウェーブで面白い。シンセの入れ方もストロークではここまでダサくできないだろうな。Unnatural とかすべてがダサすぎてニヤニヤしてしまう。こういうのやりたかったんだろうな。


amiinA - Avalon (2016)

二人組アイドルユニット。BOH、ZAX(Pay money To my Pain)、伊藤健太(元ゲントウキ)、戸高賢史(ART-SCHOOL)、クリテツ(あらかじめ決められた恋人たち)、タバティ(ビューティフルハミングバード)、岡田典之(空想委員会)、nutz(元 Fuger)が参加しているらしい…が、担当楽曲はよくわからない。かなり楽曲に力を入れているというだけあって、Jonsi っぽいシンフォニックなアレンジやハイスイノナサ的なミニマルギターでフォークトロニカ風アレンジなどが組み合わさった手の込んだものになっている。

たしかに今までにあったアイドルっぽくないし、メロディーもちゃんとしてる。今年リリースされた音楽のすべての中で一番いい!みたいなこと言っているひともいたけど、でも逆にこれは古臭く感じてしまう…。80s とかはリバイバルで別物になった感じがするけど、こういう音楽…上記のバンドとか Coldplay、School Food Punishment とかはまだ 5 ~ 6 年しか経ってなくて、まだ過ぎたばかりの流行という感じがして開き直れないというか、劣化コピーにしか…。なんだろう。なにかが好きになれないんだけど上手く言葉にできない。かろうじて「Legacy」はかっこよかったんだけど、「Avalon」とか「Canvas」は合わないなあ…。なんか悔しい。