寒くなってきた。


# Marching Band - Heart Jewel (2016)

スウェーデンの 2 人組ユニット最新作。チェンバーポップ的華やかさとシンセによる跳ねるアレンジの融合には毎回うきうきさせられるが、今作はポップ職人としてさらにきらめくメロディを当てていることで、より完成度が高まっている。良い…。

# Cashier No. 9 - To the Death of Fun (2011)

UK の五人組。2011 年に一枚アルバムを出したあと解散。霧に包まれた質感だけどポップでキャッチーなのが、このころそういう空気感のバンド多かったなぁ…と懐古。

# Jóhann Jóhannsson - Orphée (2016)

アイスランドの作曲家・ピアニスト。ミニマル/アンビエントなのにエモい曲を書く、サウンドトラックを手掛けている、というと久石譲みたいだと言えるのかもしれない。インストバンドをやっていたこともあるようで、ポストクラシカルの旗手とされているらしい。名前は知ってたけど、今度「メッセージ」(あなたの人生の物語) の劇伴をするというので今一度聴いてみたけど、自身のアルバムも情景感あふれていた。音を出すことで静けさを感じさせるのってすごい(小並感)

# Greg Pope - Guiding Star (2016)

前作も最高にパワーポップだった米ナッシュビルのソロアーティスト…というか職人。7th アルバム?こういう良メロをずっと変わらず、しかも毎年提供してくれるのすごすぎる。ちょっと大人しめな曲が多めの今作だけど、表題作とか「If you want to go」のワクワク&おセンチ感たまらんよね。

# Gruff Rhys - Candylion (2007)

ウェールズ出身グリフ・リーズさんのソロ 2 作目。Super Furry Animals をはじめいくつかバンドをやってるわけだけど、ソロが一番ひねくれとポップのバランスが良いと思う。SFA はウェールズ出身だというアイデンティティをガンガン出してたけど、このアルバムではウェールズ語の曲は 2 つ、スペイン語の曲が 1 つで他は英詩になっているし、フォーキーなアレンジとポップなメロディでとっつきやすい。でも、わけのわからないアレンジやら 10 分ある曲がぽんと入っていたりして、気が抜けない。

# Ham Sandwich - White Fox (2010)

アイルランドの五人組。なんだそのバンド名?と聞いてみたけど、「Ants」のアコースティックなサウンドとアイルランドっぽいメロディ(勝手なイメージ)に男女ツインボーカルがめちゃくちゃ相性良くてハマった。他の曲はもうちょいインディくさい感じだけど、Ra Ra Riot とか好きなのでもちろんそっちも好き。最新作でもアコースティックとギターポップの二足のわらじらしい。

# Fools Garden - Who Is Jo King? (2012)

ドイツ・プフォルツハイム(最南部の街の一つ)出身のバンド。90 年代に Lemon Tree という曲が UK でもヒットして、国内版も結構出ていたポップバンドの一つ。特に 3rd ~ 5th アルバムは BOOK OFF 均一棚の常連で、Pogo Pops や Trampolines と並んでこんないいアルバムがこんな値段で!!というものの筆頭だったと思う(個人的に)。このアルバムは(2015 年にカバーアルバムを出してはいるけど)オリジナルアルバムとしては最新で、今まで聴いていなかった。悪かないけどキラーチューンもない、という感じではあるけど、まだまだ健在なポップセンス。

# Drakkar Nowhere - Drakkar Nowhere (2016)

バンドの紹介としてニュースサイトではスペーシー・サイケデリック・デュオとか書かれてて、それもまあ間違っちゃいないけど、なんだろうこの……ダサさは!シンセの音とフレーズは完全に 70 年代だし、唐突な展開に付けられたメロディもどこか間が抜けているし。「How Could That Be Why?」も微妙に時代遅れな感じのするダンスソングって感じだし。でもそれがクセになるのもまた事実で。「Higher Now」はワンコードで突き通すのかと思ったら謎の展開をするし(しかも AOR では有名な Ned Doheny 参加??)、「Chippewa」は完全にディスコミュージックなのにリバーブ掛け過ぎだし。こういうアホっぽいのたまらん。

# Floating Points - Elaenia (2015)

去年かなり評判だったらしいし、つい最近来日もしていたらしいマンチェスターのアーティスト。まあ全然知らなかったけど、どの音色も気持ちよくて大変良い。テクノはやっぱり音色が全てなんだなと。冒頭の「Nespole」こそエレクトロニカだけど、続く曲のジャンル/テンションが全然違うのをポンポン飛んでいくのが楽しい。そしてそれを違和感なく聞かせるその技術が DJ 的。

# Alex Keleher - Elusive Recluse (2005)

カナダのかなり南東部、New Brunswick 州出身のシンガーソングライターの 1st アルバム。ローファイなロックンロールだったりハードコアだったりな謎バンド Wooden Wives のドラマーとしても活躍中…ということくらいしかわかってないけど、サウンドだけでも魅力的で、一曲目からぐぐっと心をつかまれた。朴訥な弾き語りなんだけど、コードの響きとボーカルだけで十分印象に残る。いいなあ。コラボアルバムを出した hang out sleep head on sleepy (hydrant house purport rife on sleepy)のアルバムには、日本の Aureole や downy のメンバーが参加している…くらいが日本とのつながりだろうか。謎だ。

# Moose Blood - Blush (2016)

本作のリリース元である Hopeless(No Sleep)を始め、最近エモ・ハードコア系のレーベルにシューゲイザーやギターポップなバンドの所属することが増えている気がする。それは生え抜きのインディ君であることもあるけど、やっぱりレーベルカラーなバンドを色々聴いてきてからポップ路線に来たバンドも多く、このバンドはそういう系の中でもトップクラスのクオリティを持っていると思う。メロディが良いのはもちろんだし、エモ/ポップパンクっぽさとギターポップっぽさのバランスが、その掛け合わせで相乗効果を感じる上手い塩梅なのがポイント高い。

# Nathan Bowles - Whole & Cloven (2016)

Steve Gunn さんの周辺バンド(Black twig pickers, Pelt, ソロなど)などでバンジョーや鍵盤を演奏しているマルチ奏者のソロ 4 作目(?)。基本はバンジョーとピアノのインスト楽曲なのだけど、シンセやパーカッションがよきところでアクセントを添える。正直バンジョーソロの音楽なんてきいたことがなかったけど、カントリーっぽさだけじゃなくて、色々なカラーがでるのだなと面白かった。11 分ある 6 曲目とかどうなるのかと思ったけど、ピアノとのアンサンブルで飽きなかった。最後の酒場で一杯、なラグでしっぽり〆。