今年リリースをちゃんと聞く回。

9/5 版 Apple Music のプレイリスト (Cass McCombs と Andy Shauf の新作は配信されていないので代曲で)

# White Lung - Paradise

久しぶりに会った友人が褒めていたので知った。カナダのレコード大賞的な Polaris Music Prize の候補にも挙げられている今作、バンド自体全然知らなかったけど、このモダンエモともギターポップとも言えないギリギリのラインを狙ってくる感じが衝動に溢れてて、単純にかっこいいと思った。…ダサいとも思ったw でもこの場合のダサいは褒め言葉でしょ。

# Pinegrove - Cardinal (2016)

ニュージャージーのバンド。ヘロヘロボーカルだけど、どうしようもなく沁みる。シンプルなアレンジだけど、押さえる所は押さえていてボーカルを引き立てる。バンジョーとか使ってるけど、あんまりカントリー/フォークっぽさがないのがある意味今風じゃなくて良い。ローファイめな前作より一曲ずつの完成度が高くなって、個人的にラフ/かっちりがベストなバランスになっていると思う。

# Tuns - Tuns (2016)

「Back Among Friends」がアルバムの 1 曲目なんだけど、再生開始 30 秒で「これです」ってなる曲(酷い日本語)。Sloan のベースボーカル+カナダ内で仲のいいバンドのメンバーという構成で、オーバーダブもほとんどない素の曲たち。全曲2~3分という潔さも相まって、からったとした天気に散歩しながら聞いたら最高だろうなあ…と思う。ちょっとだけサイケな「To Your Satisfaction」も最高。

(Youtube はこれしかない)

# Ryley Walker - Golden Sings That Have Been Sung (2016)

去年発表の前作も素晴らしかった、というか音源全てが素晴らしいイリノイ州出身の Walker さん。ほんと外さない。たしか去年もベストに挙げたし、ツイッター上でもかなり評価されていたような。アコギのアルペジオ主体のアレンジが巧みで、もはや職人芸。今回は拍の取り方が大きくなったというか、懐が広くなって、バンドに演奏をかなり委ねている感じ。めっちゃかっこいい。「The Halfwit in Me」に何か感じるところがあれば、今作も他のアルバムもぜひ。というか毎年このクオリティで出してくるの恐ろしい。

ライブもまた至高。

# Moses Sumney - Everlasting Sigh

ブラックミュージックとインディフォークの完全融合体というか…。とにかく声の表現力がすごい。ライブだと身一つで鳴らした音を重ねて曲を再現しているんだけど、楽器を重ねている音源よりも耳が離せなくなっている。すごい。

# Chris Cohen - As If Apart

元 Deerhoof ギタリスト(「Friend Opportunity」の前に脱退)で、The Cuitains やサポートギターとして活動する LA 出身の Chris Cohen ソロ2作目。リリースは Captured Tracks ということで、そういう音(?)のシンセやフェイザーもがっつり入っているけど全く派手な感じはない。同レーベルの Mac DeMarco や DIIV より更に朴訥で私的。しかし、Chris Cohen のソロといっていい The Cuitains の、宅録そのまま公開!な音源たちほど雑な感じはなく、とても聴きやすい。このビデオそのままの音楽。

https://www.youtube.com/watch?v=OE4-hbDRzi8

# Heaven for Real - Kill Your Memory

売れなさそうな Pavement っぽいローファイバンド from カナダ。ちょっと TFUL282 っぽい曲もある。つかみどころがないように聞こえて、急にポップなところを出してきたところでちょっと好きになる。「Subliminal」とかは結構キャッチ―…なのか?ボーカルがちょっと Lilys の Kurt Heasley ぽかったり、ギターのリフも影響を感じる瞬間があり、そこが個人的にヒット。

https://www.youtube.com/watch?v=OopYvg1xalM

# Andy Shauf - The Party

Great3 の片寄明人が褒めていたので知ったアーティスト。アジカンのゴッチも言及してた。White Lung と同じく Polaris Music Prize ノミネート。もうとにかく…音色がすべて良くて、ボーカルも控えめだけどあるべきところに収まる感じだし…。褒めしか出てこない。Apple Music にはまだ新作が配信されてないけど、過去作も最高。

https://www.youtube.com/watch?v=PN0RPWII7gY

# Cass McCombs - Mangy Love

フォーキーなのが続くけど、この人も毎回ちょっとずつ路線を変えつつ外さない一人。anti からのリリースだからか、今までより洗練されたアレンジ。一つ前のアルバムが 22 曲入りの大作であんまりしっかり聴いていないこともあるけど、今作が最低限のメロディとアレンジで心臓にぐいぐいくるのを久しぶりに味わい、彼の良さを再確認した。

https://www.youtube.com/watch?v=AT8RItt5Rd0

# The Brotherhood of Lizards - Lizardland: The Complete Works

過小評価どポップソングライター・Martin Newell 率いる The Brotherhood of Lizards のコンプリート音源集。オリジナルは 1989 年らしい。再発もいい仕事する Captured Tracks さん。基本的にバンド編成がどう変わろうと Newell さんは変わらず、同時代の別名義・Cleaners from Venus との違いはよく分からないけど、それが良い。それが良いんだよ…。

https://www.youtube.com/watch?v=xpEBwIs2O9o

# EZTV - High in Place

ファーストアルバムは結構話題になってたと思う EZTV、ちょっと落ち着いてアコギをがっつり入れたアレンジになってます。今までもグッドメロディだったけど、それがアレンジのおかげで浮き立っていて、また良いアルバムになる予感が。9 月 30 日アルバム発売。

https://www.youtube.com/watch?v=8eR_6cGJqWo