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  1. Easter / 復活祭
  2. Little Lennon / 小さなレノン
  3. Winner and Loser / 勝者と敗者
  4. Caterpillar / 芋虫
  5. Eternal Sunshine / 永遠の陽光
  6. Planet of the Apes / 猿の惑星
  7. Standard / スタンダード
  8. Wonder Future / ワンダーフューチャー
  9. Prisoner in a Frame / 額の中の囚人
  10. Signal on the Street / 街頭のシグナル
  11. Opera Glasses / オペラグラス

ASIAN KUNG-FU GENERATION 通算 7 枚目のアルバム。どうやら相当気合いが入っているらしく、ニューヨークにある Foo Fighters の個人所有スタジオを借りて録音をしたらしい。と言われても個人的に FF へあまり思い入れがないのだけど、確かに音がいままでより J-Pop 感が薄いというか、オルタナ感がある気がする。

アジカンはかなり好きなバンドなのだけど、正直 6thAl「ランドマーク」は 5thAl「マジックディスク」ほど好きになれなかったし、Gotch 名義はアジカンからかなり遠い音をしていたので、今作への期待は薄かった。さて聴いてみるとどうか。

先行シングルの#1「Easter / 復活祭」は最近のアジカンの傾向から大きくは外れないストレートなロックナンバーで、かなり直線的なメロが逆に特徴的。ジャスト 3 分なのが良い。

#2「Little Lennon / 小さなレノン」はインタビューでゴッチがキーになる曲だと言っていたので身構えて聞くが、これもストレートなロックナンバー。殺伐なリフと開放感のあるサビの対比が気持ちいい。あれ、なかなかいい。

#3「Winner and Loser / 勝者と敗者」はちょっと食傷気味な気がしないでもないメロと構成だけど、アジカンっぽい。翻って#4「Caterpillar / 芋虫」は不思議な拍感とコードで面白い。

そして#5「Eternal Sunshine / 永遠の陽光」で一気に前半のクライマックス感。8 つ打ちフロアタム。コードの解決感。ドラムいなくなってからのリフレイン。この曲はちょっとずるい。最近アジカン聴いてないひとにも訴求力ありそう。

で一度リセットされたのか、2 分台の#6「Planet of the Apes / 猿の惑星」からまたいかにもアジカンなアレンジ/メロディすぎてグッとこない#7「Standard / スタンダード」か…と思いつつ、次は変化球な#8「Wonder Future / ワンダーフューチャー」へ。

この曲は個人的にアルバムいちのつっかかりポイントで、なにしろサビで転調する。ほかの J-Pop なら転調するほうが多いくらいだが、アジカンでここまで転調をガンガン繰り返す曲は少ないのでは。しかも裏声コーラスがメロディを食うくらい大きく入っている。なんだろうこの曲。

そんな違和感を感じているうちに#9#10、そして最終曲#11 がくるが、3 曲ともこれが出来がいい。前半はどうしたというレベルで。

#9「Prisoner in a Frame / 額の中の囚人」はいままでにあまりないアレンジでさっきの違和感を壊さず繋げるし、#10「Signal on the Street / 街頭のシグナル」はマジックディスク期を思い起こさせるポップなロックで盛り上げる。

そして#11「Opera Glasses / オペラグラス」では今回のテーマであるロッキンな面をリフや構成で再度提示しつつも、ポップさがアジカンの売りということも忘れずな贅沢仕様。サビが最終曲っぽさ出ていい。

最後に下手な盛り上げを入れずにすっきり終わるが、対して 11 曲で 44 分のいつものコンパクトさでありつつ満足感がかなりあった。メロディ枯渇してるんじゃないですかとかいろいろあったが、やっぱアジカンかっこいいじゃないですか、というアルバム。


お気に入り曲:#8 #10 #11

☆8/10